第3回 講義日程

講義タイトル 社会科学で考えるタネとヒトの素敵な関係
日程 10月4日(木)
講師 西川芳昭(龍谷大学経済学部 教授)

講師略歴

1960年 奈良県のタマネギとレンゲのたね屋に生まれる
京都大学農学部農林生物学科卒業・バーミンガム大学大学院理学研究科および公共政策研究科修了 博士(農学)
国際協力事業団(現国際協力機構)・農林水産省・名古屋大学大学院教授等を経て現職
主著に『作物遺伝資源の農民参加型管理』『種子げ消えればあなたも消える』編著に『地域振興 制度構築の多様性と課題』(吉田栄一と共編)『生物多様性を育む食と農』
国内外をフィールドとして、農家の種子調達や品種管理の調査研究を手掛ける。

講義の概要

今春廃止された主要農作物種子法(以下種子法)について、その影響に対する懸念が広がっている。種子法は、国の責任のもと、稲・麦・大豆に関して各都道府県が、(1)奨励品種の決定に関わる試験の実施、(2)奨励品種の原種・原々 種の生産、(3)種子生産圃場の指定、圃場審査、生産物審査、および種子生産に対する指導・助言、を行うことを定めていた。農業競争力強化という現政権の方針の中で、国会においても、農政審議会においても充分な議論のないまま、主要農作物の種子供給の品質と量に対する政府の責任が放棄されたわけである。
自然資源管理の観点からこの問題を議論するには、まず、種子と食料に関する国際的な権利概念を理解したい。農民が自ら守ってきた遺伝資源から得られた利益の分配を受ける権利や、そのような政策決定に参加する権利、国家・地域・国民・農民が何を食べるか・作るか、さらに自給の範囲を決める食料主権などである。
「種子はだれかのものでもない。特定企業が作れるものでもない。農家が必要な種子を持続的に入手できる政治的・社会的環境整備は持続可能な社会実現に不可 欠である。」という現実を、農家も消費者も共有するために、社会科学ができることについて共に考えたい。

講義の様子