第2回 講義日程

講義タイトル 国際貿易の枠組みと農産物交渉―自由貿易と貿易保護の間で揺らぐ貿易秩序―
日程 9月27日(木)
講師 木下寛之(一般社団法人日本協同組合連携機構特別顧問/元農林水産審議官)

講師略歴

1947年兵庫県生まれ
1971年京都大学農学部卒業後、農林省入省。大臣官房予算課長、林野庁管理部長、食糧庁総務部長、農産園芸局長、農村振興局長、水産庁長官、農林水産審議官を経て農林水産省退職。(独)農畜産業振興機構理事長等を経て、現職。平成19年から中央環境審議会総合政策部会臨時委員
ウルグアイ・ラウンド特別対策6兆100億円の取りまとめ、国有林野事業の改革のための特別措置法の制定、ドーハ・ラウンド農業交渉とメキシコ・アセアン諸国とのEPA交渉の取りまとめ等に参画。

講義の概要

1 米欧の主導の下で1947年にGATTが発足し、8回の関税引下げ交渉が行われ、農産物を含め、先進国の関税を中心として大幅に削減された。この結果、WTOの課題は、関税削減から衛生植物検疫 や知的財産などのルールの設定、紛争解決に重点を移しつつある。
2 ウルグアイ・ラウンドによって農産物の数量制限は全て撤廃され、関税に置き換えられた。2001年に始まったドーハ・ラウンドは、2008年7月の農産物交渉などの決裂後、一括合意を断念している。中国等の新興国の台頭により米欧の指導力が低下し、全会一致制のルールも機能しておらず、トランプ政権の登場により極めて深刻な状況に陥っている。
3 一方で二国・地域間FTAが大幅に増加し、同一地域内に様々な基準やルールが混在してきている。我が国も15の協定を締結済みで、今後の関税削減・ルールの基準となるTPP11及び日欧EPAも来年早々の発効が見込まれている。
4 主要農産物の関税障壁が大幅に減少して国内農産物価格が低落していく可能性があり、新たな農政のあり方を検討すべき時期が到来している。

講義の様子